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思い出ぽろぽろ

高校時代、目薬が流行った。
クラスメイトのキラキラした女の子が、
休み時間のたびにピンク色の目薬をとりだし
上を向いてぴっぴっと素早く両目に目薬をさす。

ピンクの容器、片手での動作、そしてその手際。
そのすべてによって女の子のキラキラ度がアップするとカン違いしたわたしが
そのクラスメイトと同じ目薬を手に入れるのにそれほど時間はかからなかった。

しかし、である。

わたしは片手では目薬をさせない。
のだった。思い出した。

子どもの頃、親の目をぬすんでうちにあった目薬で遊んだときも、
小学校のプールでの授業のあとの目洗いのときも、
両手で目をむりやり開かしていないと目をつぶってしまうのだった。

高校生だったわたしは、それなりにがく然とはしたが、
「もう高校生なんだから平気になっているはずだ」と自らを奮い立たせ
部屋で試してみるも、やはりダメ。

しかも、今まさに落ちてこようとする一滴を凝視しながら
その一滴が落ちたとき目の玉が受ける衝撃を想像してしまうので、
右手に力がこめられず、結果容器の先にいつまでもぷるぷるとぶら下がり続ける
一滴をさらに見つめ続けることになり、いつ落ちてくるのかわからない緊張状態で
「んもぅワケワカラン!」状態になってしまい、
結局一滴も眼球に落とせないままお手上げしてしまうのだった。

本気で入れようとすると、水滴を見たくないので白目をむいてしまう。
しかも白目をむいているので狙いが定まるはずもなく、なかなか命中もしない。

右手でピンクの目薬を持ち、左手で無理やり目を見開かせ、
そして白目をむいてその瞬間を待ち、
外した目薬で目のまわりや頬をぐちゃぐちゃにしてしまう女子高生は、
いくら女子高生だといってもキラキラとはしていない。

教室でかっこよく目薬をさすのはあきらめた。
哀しい思い出。

     *

今日、給料日だったので、ふと立ち寄ったドラッグストアで
目薬を衝動買いしてしまった。

10年以上経った今もやはり、白目だ。
by ripplering77 | 2005-02-25 22:23 | 海を楽しむ

子どもにも大人にも自然とのつながり、枠を外して遊び心・子ども心を!趣味はビーチコーミング、仕事は森のようちえん まめとっこ代表。森や海で思いっきり遊んで学び、育つ日々。


by 石井 千穂
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