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どうしてナースアウト(全国同時授乳)をするの?


前回の日記でご案内したイベント、ナースアウト(全国同時授乳)。

なんでわざわざ同じ時間に授乳するイベントなんてするの?
授乳なんてプライベートなことだし子どもに合わせて授乳すればいいんじゃない?
そもそも大勢で集まって授乳するなんて、ちょっと恥ずかしいしヘンじゃない??


・・・いろんな思いを喚起するイベントであることは間違いないでしょう。
だって、いろんな意味でおもしろいですもんね。
ナースアウトのお話をしたりチラシを配ったりすると、
「おもしろい!いいイベントだねっ」と言ってくださる方もいるけれど
怪訝そうな顔をして「こんなのがあるんだ~」と
ひいてしまわれる方のほうが多いのが事実です。


でも!ナースアウトというイベントの背景には、深い深い目的と意義があるのです。
わたしも去年ナースアウトを知るまでは、決して知ることのなかった事実が隠されていました。
母乳育児をしている人も、そうでない人も。
いろんな方がいらっしゃると思いますが、多くの方にぜひ知っていただきたくて、
「ナースアウト in Japan 2009」全国実行委員会の公式ブログから記事を転載します。
(許可をいただいています。)


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「ナースアウト」イベントの目的


【1】「ゴールド・スタンダード」を知ってもらう=「金のリボン運動」

母乳育児における「ゴールド・スタンダード」とは、6ヵ月間は母乳だけで育て、
その後は適切な補完食(離乳食)を食べさせながら2年かそれ以上母乳育児を続けることです。
このことは、WHO(世界保健機関)が認めた育児の基本です。
そしてこのゴールド・スタンダードを広めることを「金のリボン運動」といいます。



【2】世界母乳育児週間に賛同する

毎年8月1日~7日は「世界母乳育児週間」です。
今年の世界母乳育児週間のテーマは「A Vital Emergency Response Are you ready?」です。
毎年、世界母乳育児週間のテーマをナースアウトのサブテーマとし、
色々と考えるきっかけになれば・・・と思います。
※日本語訳は決定次第お知らせします



【3】みんなでおっぱいをあげることを楽しむ

産院から退院してから他の人がおっぱいをあげているところを見たことがない!
という人も中にはいるかもしれません。
授乳は特別なことではありません。
みんなで集まって楽しくおっぱいをあげましょう。



【4】日本同時授乳記録更新に挑戦

昨年は32ヶ所で開催、合計954組が参加し、921組が同時授乳に成功しました。
今年はそれを超えるような参加を目指します。


http://plaza.rakuten.co.jp/nurseoutinjapan/6001 より転載

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ゴールド・スタンダードの内容を読んで、「えっ?」と思われる方も多いかもしれません。
2年かそれ以上母乳育児を続けること」、これがWHOの認めた育児の基本。
でも、現在の日本ではどうでしょう。


保健指導の指針が変わり、以前のように生後2、3ヶ月から
果汁や湯冷ましや重湯を飲ませることはなくなったものの、
息子が4ヶ月か5ヶ月の頃には周りのお母さんたちの話題は離乳食に集中。

1歳になる頃には「保健センターで離乳食がなかなか進まないって相談したら
母乳をやめたら?って断乳を勧められたよ」なんて声も聞こえてきました。

やめたら?とまではいかなくても、「そろそろ授乳回数を減らしましょう」と指導されたりと、
早めに母乳育児を切り上げてごはんを食べさせよう!という風潮があるように思います。

または、体重や身長の成長をものさしで測られて「平均」という枠で判断され、
「体重があんまり増えてないから母乳が足りてないかもね。ミルクを足しましょう」と
「優しくアドバイス」されることも。
(これで自信を喪失したことがあります、わたしも・・・)



お母さんの悩みを聞いて解決のアイディアを授け不安や心配事を取り去ってあげるのが
保健センターや助産師の仕事のはずが、かえって悩みのタネを植え付けられる。
「みんなと違うこと」「一人ひとりの事情に合わせた育児」を
なかなか認めてもらえないということもある。


もちろん、そういった方々の尽力のおかげで国としての栄養状態や
子どもの健康・栄養状態がよいレベルで保たれているという面もあるけれど、
お母さんが自由に育児を楽しめているかといえば
とてもそうとは言い切れない面もあるんじゃないかと思います。


もともと妊娠中から自然育児や母乳育児に関心があったわたしでも
息子が生まれてからは育児書や保健センターで勧められる情報、
育児雑誌(という名の広告)が正しいと思い込んでいて、
その枠に入るために苦労した覚えがあります。
一日の授乳回数を気にしたり、母乳が足りないんじゃないかと悩んだり・・・。



でも去年のナースアウトに参加して、3歳くらいのお子さんに堂々と授乳しているお母さんや
上の子と下の子に同時に授乳(タンデム授乳)しているお母さんの姿を見て、
「なんだ、自由にやっていいんだ!」と心が軽くなったのです。
ショッピングセンターのフードコートで、おっぱいを吸いたがる2歳のお子さんの心に添って
チュニックの中に子どもをもぐりこませて自然に授乳するお母さんの姿を見たことも
自由に好きなように育児を楽しめばいいんだ、という「発見」につながりました。


今年のナースアウトでも、去年のわたしと同じようにだれかの心が軽くなればいい、
自由に育児を楽しめばいいということをだれかに伝えられたら、と思っています。
さらに、森でのナースアウトを通して、森や自然の中で過ごす気持ちよさを
知ってもらえる機会になったらいいなぁ。
そんなことを思っています。
by ripplering77 | 2009-07-09 17:00

子どもにも大人にも自然とのつながり、枠を外して遊び心・子ども心を!趣味はビーチコーミング、仕事は森のようちえん まめとっこ代表。森や海で思いっきり遊んで学び、育つ日々。


by 石井 千穂
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